鍛造の歴史 鍛造は金属加工の中でも最も古い加工法です。人類が金属を利用しはじめた頃から利用され、日本では中国の影響を受け紀元前7~6世紀頃にはじまりました。 産業革命以降は機械による鍛造技術が開発され、1870年には大阪造幣局によるコイン製造に用いられています。 現在、鍛造品の約7割が自動車部品として使われているほか、小さなねじから巨大タービンまで幅広い製品の製造を担っています。鍛造は日本の産業を支えてきた金属加工法のひとつでもあるのです。 鍛造のメリット 鍛造の代表的なメリットを3つご紹介します。 金属が粘り強くなる 繰り返し金属を叩くことで金属内部の気泡を押しつぶし、結晶構造が緻密になります 製品の形に沿った鍛流線ができる 鍛流線(ファイバーフロー)が表面の輪郭に沿っているため、表面に生じる引張応力に対して強くなります 最終製品に近い形を成形できる 追加工が不要で生産性が高いため、生産効率が向上します 型を用いるため、大量生産にも対応可能です 鍛流線(ファイバーフロー)とは 引用:鍛流線(ファイバーフロー)とは|はじめの工作機械 鍛流線は、金属が流動したときにできる金属繊維のながれです。 製品のカタチに沿ったファイバーフローが発生することで、強度が高い金属になります。 〈鍛造と切削加工との違い〉 鍛造と切削加工では、完成品が持つ鍛流線の状態が異なり、切削よりも鍛造の方が強度が高くなります。そのため一定の強度を持った製品を製造する場合、鍛造の方がより薄く軽量につくることができます。 また鍛造は材料を削り取ることがないため、切削に比べ材料の歩留りがいい点や、加工時間を短くできる点も大きな違いのひとつです。 〈鍛造と鋳造(ちゅうぞう)との違い〉 鋳造は溶かした金属を金型に流し込み、型の内部で冷却させる加工法です。鍛造と鋳造とでは、完成品の強度が大きく異なります。 鍛造は金属に圧力をかける過程で、金属内部の結晶が整い密になるため高い強度が実現。一方で鋳造は完成品の厚みが一定でない場合、冷却速度の違いによる応力が残ってしまい、十分な強度を確保することができない場合があります。 鍛造加工要求があればどうぞご遠慮なくご連絡してください.